看護師の退職はいつ・誰に伝える?伝え方と退職までの準備
- 伝える時期は、就業規則の申出期限と、勤務表の作成時期を確認して決める
- 伝える相手は、通常は直属の上司か職場で定められた窓口。話しにくい場合は別の相談先もある
- 理由は事実に沿って、伝えられる範囲で簡潔に。まだ迷っているなら、調整の相談から始めてもよい
「辞めたい」と思っても、忙しい病棟や人手の足りない職場だと、なかなか言い出せないものです。
この記事では、看護師が退職を切り出すときの時期・相手・伝え方と、退職日までに準備しておきたいことを順番にまとめました。
※ここでは主に、民間の医療機関・施設で働く方の手続きを説明しています。公務員として勤務している方は、所属先の人事担当に、適用される規則や手続きを確認してください。
1. いつ伝える? 就業規則と勤務表を確認する
まず確認したいのは、勤め先の就業規則に書かれている退職の申出期限です。「退職の1か月前まで」など、職場ごとに決まっています。
法律上は、期間の定めのない雇用(無期契約)であれば、労働者はいつでも退職を申し入れることができ、申し入れから2週間で雇用契約が終了するとされています(民法第627条)。
就業規則の申出期限は、引き継ぎや人員の調整のために確認しておくものです。労働局も、まず就業規則を確認するよう案内しています。ただし、極端に長い申出期間は無効とされることもあり、就業規則の期限があることで、民法上の期間が当然に延びるわけではありません。
看護師の場合、もう一つ意識したいのが勤務表です。勤務表の作成時期や希望休の締切は、職場によって異なります。自分の職場の予定を確認し、可能であれば勤務表が確定する前に伝えると、職場も調整しやすくなります。
※雇用期間の定めがある契約(有期契約)では、契約満了時の退職と、契約期間の途中での退職を分けて考えます。途中での退職は、勤務先との合意や、やむを得ない事情があるかどうかなどで扱いが変わります(民法第628条)。不安なときは、各都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」で相談できます。
2. 誰に伝える? 通常は直属の上司から
退職の意思は、通常は直属の上司か、職場で定められた窓口に伝えます。病棟であれば師長(看護師長)が一般的です。
- 伝えるときは「ご相談したいことがあるので、お時間をいただけますか」と声をかけ、人のいない場所で、落ち着いて話せる時間をとってもらいます
- 正式に伝える前に、信頼できる人に相談するのはかまいません。その場合は、まだ周りに広めないでほしいことも伝えておきましょう
- 上司との関係が原因で話しにくい場合は、人事担当や別の管理職、法人の相談窓口に相談してもかまいません
3. どう伝える? 理由は事実に沿って、必要な範囲で簡潔に
退職の理由は、事情をすべて詳しく話す必要はありません。体調や家庭の事情を、無理に前向きな理由に言い換える必要もありません。話しにくい事情は、伝えられる範囲で整理しておきましょう。
すでに退職の意思が固まっている場合は、「退職を決めました」と結論から伝えると、その後の話し合いがスムーズです。
伝え方の例(退職の意思が固まっている場合)- 「別の分野の看護を経験したいと考え、退職を決めました。希望する退職日は〇月〇日です。引き継ぎの進め方をご相談させてください」
- 「家庭の事情で、今の勤務を続けることが難しくなり、退職を決めました」
- 「体調を考え、今の勤務を続けることが難しいため、退職を決めました」
まだ迷っている場合は、退職を切り出す前に、夜勤の回数や配置の調整など、今の職場で働き方を変えられないか相談する方法もあります。
4. 引き止められたときは
人手不足の職場では、引き止められることもあります。
- 「人が足りないから」と言われたとき:人員の確保は職場が対応することです。引き継ぎにはできる限り協力したいと伝えつつ、退職の意思は変わらないことを伝えます
- 「異動や配置換えで続けられないか」と提案されたとき:その提案で悩みが解消するなら、検討するのも一つの方法です。解消しないなら、はっきり断って大丈夫です
- 「次が決まってからにしたら」と言われたとき:次の就職先が決まっていなくても、退職はできます。退職日は契約内容や必要な手続きを踏まえて考え、転職活動の時期は体調や生活費も考えて決めましょう
話し合いが進まないときは、契約の種類と必要な期間を確認したうえで、退職の意思と退職日を書いた書面を勤務先に届けます。無期契約であれば、原則として、退職の意思が勤務先に届いてから2週間が経てば、勤務先の承諾がなくても退職できます。受け取りを拒まれるなど困ったときは、総合労働相談コーナーに相談しましょう。
5. 退職日までに準備すること
- 有給休暇の残日数を確認する:年次有給休暇は、原則として労働者が希望する時季に取得できます。残日数と取得したい日を確認し、退職前に申請しましょう。勤務先が取得日を退職日より後に変更することはできないとされていますが、引き継ぎの日程とあわせて、退職日と最終出勤日を整理しておくと安心です
- 引き継ぎ:受け持ち患者さんの情報、委員会や係の仕事などを、後任がわかる形にまとめておきます
- 返却物と受け取る書類を確認する:ユニフォーム・名札・鍵などの返却物と、離職票・源泉徴収票など退職後に必要な書類を確認しておきます
次の職場を考えている方へ
退職を考えるきっかけは、夜勤の負担や職場の人間関係、やりたい看護との違いなど、人によってさまざまです。次の職場で同じ悩みを繰り返さないために、何を変えたいのかを整理してから動き出すと安心です。
参考
※本記事は一般的な情報をまとめたものです。具体的な手続きは、勤め先の就業規則や担当部署にご確認ください。